2005年八月中に読んだ本、気に入った作品BEST3

陽気なギャングが地球を回す(伊坂幸太郎/詳伝社/全257P・二段組み)

伊坂幸太郎のギャング・サスペンス(?)
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、正確な体内時計を持ち主、
その無駄のない銀行強盗は失敗を知らない。
ある日、そんな四人は仕事の逃走中に盗んだばかりの現金を奪われてしまう。
彼らは奪われた現金を取り返すことができるか。

といった感じの作品。
キャラクターもお喋りも愉快で楽しく、奇想天外気味な発想はこの作家らしさがでている。
章が変わる度に出てくる、辞書のような言葉の説明も毒があって面白い。
結構、多くのひとが気に入ることができると思う。オススメ。
稲城が、背表紙に書いてある「ギャング・サスペンス」を「ギャグ・サスペンス」と勘違いしたことは内緒。
「ロマンはどこだ」。




君を見上げて(山田太一/新潮文庫/全318P)

山田太一が描く、ちょっと奇妙でお洒落な恋愛小説。
なにが「ちょっと奇妙」なのかというと、あらすじの一部を読めばわかってもらえると思う。

ソウル行きのジェット機で出会った身長163センチの高野章二と、身長182センチの小阪栄子。
身長差、19センチのふたりには恋愛も結婚の可能性もないのだろうか。

身長差19センチ。しかも女性の方が高い。
うーん、あんまりピントこない。
しかしこの本を読んでいくうちに、それが二人にとって余程重要なことなのだと伝わってくるはず。
二人はともに自分の身長、はたまた相手の身長をいつもいつまでも気にしながら駆け引きをする。
互いに「こんな小さな男を好きになるはずがない」「こんな大きな女を好きになるはずがない」なんて思う。
抱き合ったとしても、顔を胸に埋めるのは女の方ではなくていつも男。
街中を出歩くと誰もが振り向いて首を傾げる。
読まないとわかりにくい、でも、読んでみればついつい頷いてしまう。
普通だけれどどこか変なお話を読んでみたい人にオススメ。




花まんま(朱川湊人/文藝春秋/全264P)

第133回直木賞受賞作品。
上に挙げた二つの作品はやっぱり「ちょっとオカシナ話」だけれど、これもそう。
死んだはずの、他人と友人のあいだくらいの関係だった子供が遊びにやってきたり(トカビの夜)、
妹が突然、「うち、どうも昔、繁田喜代美やったらしいんやわ」なんて言い出したり(花まんま)、
墓地で出会った美しい女性との日々(凍蝶)、
といった不思議な話が六編入っている。
どの話も「大人はなんとなく懐かしく読み」「子供は主人公に自分を重ねて読み」と、
狙った読者年齢はなく、広い範囲をカバーしている。
思い出話として語られているのが多いというのも効果的だ。
「死」に関する話が多いのも、人がいつまでも疑問に抱くテーマであるだろうから、惹きつける力が強いのかもしれない。

ちなみに稲城が好きな話は表題作の「花まんま」と「凍蝶」。
「凍蝶」なんて、ツボだ。こういう話は大好き。

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